ばらと遊ぶ12ヶ月 2月

1. 季節のお便り

 毎月の原稿を書くとなると、周囲の環境を見ながら、落ち度のないように原稿のバランスも考慮に入れながら結構油断のならない気配りもいる。どだいこういうことは一番苦手とするところである。 今月は、書くことと言えば剪定だけにしぼられよう。それだけでは面白くないので、あの福島氏に問いかけてみたら、コンテナー栽培を書いてみようかということになった。

 2000年年報には、鉢植えの記事が、大御所石井氏と静岡から久野氏のものと2本もある。 いったん書いたものに、注釈の必要があって福島氏に問い返したところ、「もう、オレのはよかろう。没に してくれ。」と言い出した。 彼の栽培法は、その栽培環境によっていろいろの知恵を出し、応用するところが素晴らしい。特に今回のは、50平方メー トルくらいのハウス栽培面積ではじめてみようという方に対しては、格好の参考資料となる筈である。その点で非常な新奇性がある。そこで本号をはじめ、おりにふれて紹介することにする。

2. 春の剪定

イ. 開花位置は限りなく低く、春は見下ろすように

 春の剪定は、勢いのある芽のしっかりした部位を選んで行うのが原則である。品種あるいは樹によって、勢いが一定しないので、剪定位置は高く、低くまちまちになるのは当然であり、樹勢を維持し、佳花を咲かせるためにはこの方法が最善であるとされている。

 それと、もう一つの理由は、待ちに待った春の花だから、出来るだけ多く咲かせたい想いがあって、いい花枝がたくさん付いているところは、つい高いところで剪定してしまう。

 剪定の高さが70センチ辺りであれば、そこから春の花は70~80センチ、つまり140~150センチのちょうど目の高さに咲くが、秋には春に開花させた枝のもう1〜2節上、 つまり剪定下枝が最低15枚は欲しくなり、 実際には開花高さは200センチを越えてしまう。 そこでシュートに頼ってしまうが、シュートの咲き枝と2〜3年枝との高さのギャップが出てしまう。

 それに高剪定だと、どうもシュートの出方が悪い。マダムビオレやあけぼの、メルヘンケーニギ ン、レッドライオン、武州などはシュートの出が悪く、どうしても高剪りになってしまう。 だから、上で剪らざるを得なくなって悪循環を繰り返す。

 花の高さを一定の高さに揃えること。これは、ばら作りの一つの理想の形ではなかろうか。菜の花もコスモスも、一斉に咲くことで集合美が強調されて、一層美しく豪華に見えるのではないか。そう言えば、ばら公園の春の剪定は、かなり深剪りにしてある。 それは、少々無理な剪定であっても、高さを揃えることと、もう一つは、台風など 強風対策として出来るだけ低く咲かせることが必要だからである。

 で、われわれの栽培に適用したらどうなるのか。深煎りによって、多分シュートが従来のノウハウより多く出る。シュートは、せいぜい年2〜3本くらいが適当とされてきた。シュートの乱立は、多肥栽培によるもので、佳花になるのを阻害し、軸の大きなアンバランスな駄花になってしまう。しかも、植え床の肥料成分も蓄積傾向になり、好 ましくないという説明である。

 しかし、この栽培法は多分に禁欲的である。 樹の本来開放的な成長過程を、抑制したことになっていないか、もう一度、検分しなければならないのではないかと思うようになった。 この件は先月号にも述べているが、そもそもシュートの発生は、多肥によるものに起因することとは限らないではないか。

 従って、ことしはトライの意味もあって、30~ 40センチのところまで切り詰めることにした。強剪定については、先号でも述べているように知見もある。最初の花数だけが少なくなるだけで、春以降はシュートも十分期待出来るので、景観的にも優れているので有利である。

 さらに、秋の開花ステムの葉数を問題にするときに、春花の2節目からの剪定も可能になり、 根元から数えて25~30枚にはなる。この数字は、佳花になるための最低条件ではなかろうか。従来は、経験上から2メートル20~30センチのところに開花させていたので、結果的に25~30葉になっていたが、同時に下葉が落ちていたことは、失念されていたようである。成木になって、原因がわからないで下葉から黄変落葉することがよくあるが、これをわたしは「もう、 お前はよか」 現象と言っていた。(これだけ、 たくさんの葉が出来たから、もう下葉のお前は役立たずになったからお払い箱だ。の意)香久山や武州のように、突如として葉が落ちてしまう品種もあるが、それも含めて、この落葉現象は、やはり地下部と地上部の生理のアンバランスに拠るものだと思われる。地下部は見えないが、植え床の機能上の問題に起因するものと見ている。もし、植え床が健全ならば、こうはならない筈である。

 30~40センチの強剪定のときに困るのは、何年 も一本独鈷にて頑張っている樹である。これは、切り接ぎによって途中シュートを呼び起こすようにする。これも先号で書いた。(写真参照)

[写真説明] 写真左は1本独鈷のもので、写真はゴールデンハートを5芽接いでいる。3月初旬の剪定の時期に接いだ先端から強剪定する。途中シュートと同じように芽が出る。これによって2メートル以上の古木に咲いていた花が今年からは低く咲くことになる。春の開花本数が若干少なめになることは仕方ないであろう。写真右は勢いの強い紫野に他の品種(シャルルマルラン、 グラン パディクソン、 ファーストプライズ、 ダイアモン ドジュビリー)を接いだもの。 これも勿論、接いだところから強剪定することになる。(この写真は 1月4日撮影のもの。)

 さて、このように思いきった剪定によって、春は花の高さが一斉に揃って、1メートル10センチあたりに一面に咲くことになる。 わたしとしては、初めての経験である。いま考えても、一本一本の花としてはともかく、景観的には胸のおどる光景ではなかろうか。

ロ. 春の開花時期について

 ばらの剪定から、開花までの日数は秋ほどではないが、春も品種によって早咲きと遅咲きがある。北は北海道、南は九州まで、ばらの開花前線がある。温暖地ほど、早く咲くのは当然であるが、最近になって、 関東では西武ドーム球場で、5月20日 前後にかけて「国際バラとガーデニングショウ」が、毎年定例的に開催されるようになった。春に、全国展を行うようなものだから、九州でも、この日に合わせて咲かせられないかと思うようになった。むろん、春に全国的規模でバラ展を開くことは一部の地方に偏り、閉鎖的だという不満の声が大いにある。わたしもその一人であったが、一般の見物客にとってみれば、一切関係のないことである。むしろ、休眠の閉ざされた冬から、ようやく脱し、いのちの芽吹く春になったその時期こそ美しい花を期待し、鑑賞欲も出てこようというものである。そして、この催しが定例化し、毎年行われることになると、一度でいいからそのガーデニングショウとやらを見に行きたいし、どうせ行くなら、花の一本でも持って行きたくもなるわけである。そこで新たな課題が発生する。春の開花時期は調整出来ないのだろうか。

 地球温暖化の叫ばれる昨今でありながら、去年は春の訪れが意外にも遅く、関東ではひどいところでは、1週間以上も花がおくれてしまったようで、逆に九州熊本は例年だと5月10日前後が盛りであるのに、一斉に咲かずにだらだらと20日あたりまで咲いていた。

 このように、開花は温度と密接な関係があるが、発芽の時期、展葉の時期、花芽分化の時期、糸芽の時期など、一体どこの時点で一番温度と相関を持つかはわたしは知見を持たない。秋の経験による と、発芽から展葉の時期よりも糸芽の時期以降の高温が、圧倒的な影響があると思われる。よく、染井吉野桜の開花の1か月後が大体の目安と聞く。辞書を引くと、桜もバラ科に属すると書いてある。同じバラ科にしても、1か月も前に咲いた花と、相関関係があるとはとても思えない。ただ、気候が順調に推移すれば、の条件付きであれば、敢えて反論する材料はない。

 一方、いままでの経験知見を綜合すると、剪定時期は樹液が動き始める以前か直前の時期である。九州は、大体2月中旬〜3月初旬が相場である。この時期を過ぎると、樹液が剪定部から流れ出はじめるので、よくないとされている。 少し無理を承知で、3月10日に剪定したが、2日くらい遅れたようなイメージがある。これをさらに危険を犯して、例えば3月20日以降まで剪定を無理やり引き延ばしたら、どうなるのであろうか。いままでは、5月20日前後に咲かせなければならないという積極的な理由がなかったために、敢えて危険を犯しても開花時期を遅らせることはしなかったが、ど うしても5月20日に咲かせなければならない理由ができたとしたら。

 積算温度で、開花時期が決まるという説がある。積算温度とは、ここでは日中の平均気温(その日の最高温度と最低温度の中間)に剪定した日から、開花までの所用日数を掛けた値である。この数値は、品種によって変わるのは勿論である。あけぼのは、気温の変動の割りに鈍感な品種であると思うが、九州の当地では、秋は9月10日に剪ったあ けぼのは10月25日頃に咲く。そして、そのときの暦年平均気温変化は1図のようである。

 つまり、秋の気温変化は9月から10月一杯までは直線で下降する。この件は、秋の剪定のところでも、詳しく触れるつもりであるが、あけぼので 940日°C位に相当するのである。 春は3月1日に剪定し、5月15日頃に開花するが、 4月11日あたりで温度傾向がやや変わるが、積算すると3月1日 から4月11日までの41日で平均 9.5°Cで390日°C、4月11日から5月16日までの35日で平均16.2°Cで567日°Cで合計957日°C (第2図のイーローハーニの部分)になる。 これを、 あと5日だけ開花を遅らせたいときどうするか。 第2図のローヘーニーチまでの積算温度は94日°Cであるから、剪定時の積算温度差が同じになるようにイーホーハー トを探すと、3月15日で91日°Cになる。 結論的には、春は開花を1日遅らせるためは、 剪定は3日遅らせねばならないことになる。しかし、その 逆(開花を1日早めるためには、剪定を3日早めればよい。)は多分言えないと思う。なぜなら、摂 氏5°C以下になると、ばらの活動は極端に鈍り、ほとんど休眠状態になるからであろう。冬の剪定はいつ剪っても開花時期は同じというのは、この ことを言っているのである。

 ここで考えておかなければならないのは、春の剪定時期に気温があがると、剪定部位から大量の樹液が出てくるが、これがその後のばらの生育にどう影響するかである。上記の仮説は、この樹液の溢出はばら生育とは無関係の前提に立っている。一般的には、樹液の溢出はまずシュートが出難くなる。 樹がいじけてしまう、などと言われており、これまでの栽培常識として忌避されてきたようである。

 だから、この仮説はあくまで参考程度に、一部の樹に試行してみたらどうかという程度にしておきたい。しかし、一方で、先号にも書いた4月初旬の冷害のときの処置のように、実際にはそう神経質に考えるべきではないという知見もある。

 積算温度を、日間平均の摂氏温度で取ること自体は、理論的には何の根拠もないが、仮説として簡便的に展開させると面白い結果になる。ある程度、結論的には使えるのではなかろうか。秋は、生い茂った葉が開花までの重要な役割を果たすのに対し、 春は 秋に開花後から落葉するまでの根や幹に蓄積された養分によって発芽し展葉し、根の休眠が解けた段階から、白根が爆発的な生命力を呼び起こすことになるので、秋も春も同一には言えないにしても一応の目安にはなろう。 これは数値が示している。

 これは皮肉であり、本音でもあるが、本来、原稿依頼されるときは、その前年にすでに引受けが内定しており、筆者も次年度の原稿を準備する時間があってしかるべきだが、それがなかったために、仮説に止まってしまった点、ご容赦願いたい。

編集部 註

本文の最大の注目は剪定から開花までの目安を知る上での数値割り出し方だろう。筆者はあく まで仮説としているが各自が追試して見るのも面白い。 但し積算と云う言葉があまり良く理解されそうもないので筆者に解説して頂いた。

積算表について

 植物成長に関して温度によって成長速度が違うこと。ばらの成長カーブが温度一時間とどういう函数関係にあるか、つねづね筆者は考え続けてきた。それは直線ではないにしても8°Cあたりまでの休眠状態から25°Cあたりまで微分係数的にはプラスをたどり、30°C以上の高温になるとマイナス になると考えられる。高温ほど栄養成長、生殖成長が大きいという仮説にやや無理があるが、 もし30°Cあたりまでは右上がりだとすればこの仮説も 許してもらえようと考えたのである。

 もちろん、摂氏温度の絶対値や、日間の最高温度最低温度の平均摂氏温度が時間とどういう関係をもつか、昼と夜の関係、湿度の関係など考えていくと科学的には随分と危ない仮説となることは承知の上であるが、日常生活をとおしての遊びであり、あけぼの、みわく、コンフィダンスとそれぞれに開花までの積算温度が違うことを確認するのも結構面白いのではないかと思ったのである。

 尚、九州、関東、北海道と秋は特に剪定から開花までの日数も次第に長くなっていき、花弁の延びに大きな差異が出てくるが、それは積算温度によるものだと経験的には誰しも捉えていることではなかろうか。科学的根拠なく納得いかないと思われるならば、問題提起としてでもお考えいただきたい。

3. その他

イ. 消毒

 2月末から3月初にかけての剪定直前直後の消毒作業は、細菌が土中に休眠しているから、濃い消毒薬で早めに叩いておくようにということもあるようだが、わたしはこの時期に消毒したことはない。濃いものはその分、人間様も強烈なパンチを見舞われていることになるので要注意である。

 九州では、3月下旬には芽が動くが、展葉しな かった頃に10日間隔でオルトラン、スミチオンを交互に2000倍でしっとりと散布する。春の若葉はことのほか美しく、いとおしいので、細心にして誠実な気配りで消毒しなければならない。特に、恐い薬害を避けるために極めて薄く、しかも単剤での使用をすすめる。3月下旬までは、殺菌剤は使用しなくともよい。

口. 潅水

 剪定が終わったら、1株当り15~ 20リットルの潅水を行うように。冬季に、水を絶たれて休眠している樹が、春の目覚めとともに、水を欲しがるからである。この頃の土壌は渇水しており、 いくら潅水しても多すぎることはない。

ハ. 施肥

 12月から1月初旬にかけて、元肥を施肥しているので、この時期には春の元肥としては使わない。肥料には最近、ぼかし、コーテイング肥料、有機配合と緩効性肥料もいろいろ出てきた。ほとんど60~100日以上のタイプで、春の花に向けて、その直前に切れることをうたい文句にしてきたようだが、最近、水耕栽培が盛んになるにつれて、花の時期に、果たして肥料が切れる方がベストと言えるのかどうか、疑問を唱える人も出てきた。しかし、今月のところでは、伝統的栽培法に従って施肥なしにしておきたい。

ニ. レイアウト

 昨年、12月から1月初めにかけて、みなさんの庭では植え替えが完了したと思う。この植え替え作業は冬の閑の時期にあって、格好の遊びの機会であり、楽しい作業には違いないが、結局もとの木阿弥になったり、捨てた木を数年絶つと「しまった」と後悔したりする。そのようなことのないように。今になって、まだ植え替えていないものはそのままそのまま。

4. ばらの鉢栽培(熊本、福島康宏氏からの紹介)

イ. 福島氏の原稿

 昨年からの鉢栽培で、露地植えと変わらない生 育をするばらを経験した。
先般、旧友の徳永氏が佐世保ばら会の西村氏と、わたしの鉢栽培を見学に来られた。西村氏は、ばら作りはまったく初めてである。ばら作りを始めるにあたり、ビニールハウスをすでに建てておられ、開口7メートルX奥行15メートル、サイド高さ1.8メートルと立派な環境である。 気になるのはサイドが低いことである。しかし、間口7メートルなので中央は十分の高さがある。

 西村氏のやる気満々さに、徳永氏と私がお手伝いすることになった。植え床作りをして、植えつけるとなると大変な労力と経費がかかると判断し、鉢栽培でスタートする計画を立てた。鉢植えは生育に合わせて鉢替えを行い、特に最終鉢替えで勢いを増す方法である。接木3.5号〜5〜6〜8〜10号鉢がわたしの昨年の鉢替えパターンであった。今年は、最終鉢を12号鉢と計画した。5号鉢〜12号鉢へ植えつけ、ビール缶埋め込み方式で抜き取り(用土入れ) で鉢替えをしないことにした。

 1週間後、西村氏のお宅に行き、3人で最終チェックを行った。支柱は空中支柱で等間隔に花枝を立てる方法を取る。しかし、植え替えの関係で6号鉢までは、空中支柱は必要ないが8号鉢からは必要になる。いろいろ考えたが、鉢替えを必要としない方式で出発することにした。容器は球根梱包のコンテナ(60 X 40 X 16cm)が割安で入手できるのでこれに決めた。畝数は4畝で、中央2畝をコンテストを狙える品種として、両脇はミニばらの切花での出発とした。コンテナの容量は、38リットルで1コンテナ当り2本植えの予定である。

 鉢植えをしない代わりに、増す土方式で空き缶の埋め込み抜き取り(用土入れ)で対応する。 最初は46個の500ccの空き缶で出発する。生育状況を見て随時用土入れを実施する。最終増す土は、秋花の剪定1週間前とする。

 2週間後、鳥取の川上薫氏より譲り受けた台木に3人で接木を行って苗作りを出発させた。接木後台木をポットに植えつけるが、そこに使う用土は清潔で肥料分のない用土を使う。例えば、播種用の調整ピートモス6 : ボラ土3:赤玉土1の配合割合のものがいい。 温度は最低15°Cで管理し、発芽後展葉するまでは潅水は肥料分を入れないものを使う。

(この稿は12月20日でリアルタイム。 以下次号へ)

ロ. 若干の質疑

問:空中支柱とは何か
答:1本1本に支柱をすると、大変な支柱が必要であり、経済的ではない。そこでハウスの妻面を利用してヒモを引き、そのヒモに直径2〜3ミリの樹脂被覆の長さ約80センチの軽めの棒を括り付けて支柱代わりにする。この方法は、九州ばら研究会のメンバーはすでに以前から実施済みである。これは、ハウス栽培で有用で、例えば葡萄棚の支柱のように露地で設置するときは、植え床の両端にやや斜めにいけ込んだ強い親支柱が必要である。

問:4畝というのはどういうことか
答:間口7メートルに、4列の植え床を作る意味だ。植え床はサイドのミニばらがコンテナを縦に置くので、畝幅は60センチ、2列植えで株間は40センチ。中央のHTはコンテナを2列に横に置いていくので、畝幅は80センチ、2条植えで株間は30センチになる。結局、 植え床の幅合計は80X2プラス60X2で280センチになる。 残り420セ ンチが通路になる。

問:鉢替えはしないようだが
答 :最初のポット鉢から、次の5号鉢まで1回だけ鉢替えする。これは、あくまで新苗からの出発の場合である。大株の時は、同じような方法で、6号鉢位からの出発になろう。

問 :埋め込み抜き取りとかよくわからん。 具体 的に説明してほしい
答:空中支柱が前提なので、いつまでも鉢替えするわけにはいかない。鉢替えすると鉢が上下左右に移動し、せっかく結紮した支柱を外さなければならなくなり、不合理である。そこで、鉢替え をしなくて済むように工夫したのが、空き缶埋め込み抜き取りの方法。 12号鉢2つをコンテナに並べ、その中のそれぞれに苗の入った5号鉢を置く。5号鉢と12号鉢の空隙に、500ml入りの缶ビール 空き缶を入れていくと、46個入るが、最初は46個入れておき、そのあとで、適当な時期を見て内側から適宜空き缶を抜いていき、そこに用土を入れていくのである。鉢替えはしないのだが、実際には用土が増加した分、鉢が大きくなった理屈になる。

問:高さ16センチは、ちょっと低すぎると思うが
答 :高さより容量を重視した。コンテナは40X60X16=38.4リットルだ。それに2本植えこむので19リットル/本。 これは大体10号鉢に相当するとみてよい。 根は水分を下に取りに行くのではないから、浅くても大丈夫である。

問:接木をやったのはいつ。 こんなに早く大丈夫か
答:勿論だ。早くやった理由は早く生育させたいからで、温度さえあればいつでも大丈夫の筈である。


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