投稿

ばらつくりのよろこび

イメージ
はじめに  ばらづくりを始めてからまもなく50年になろうとしています。現在82歳です。よく飽きもせず、ここまで続けられたなあ。それはばらの持つ、「妖しい美」に尽きるからだと思います。  よく「あけぼの」とはどういう花ですか、などと聞かれますが、それはなんとも言いようのない「美しさ」だとしか言いようがありません。「魅惑」という花も同じです。その他たくさんの花もまったく同じです。そして、その美しさは咲かせた人に「それなりに」返ってきます。この「それなりに」がまったくくせ者なのです。  「コンフィダンス」はそれこそ一世を風靡した花ですが、錚々たる審査員たち全員で満点をつけたという花もあったということです。「パパメイアン」は黒薔薇で香りも甘く伝わります。こう書いていくと、きりがありませんね。  ただいささかの残念さがあるとするならば、写真の記録があまり残っていないことでしょうか。それは、「お前はまだ若いので、今からもっと良いばらを咲かせて余生を楽しむように」と言ってくれているようにとも取れます。 令和5年2月 唐杉 純夫 Ⅰ 季節の便り 冬の ばらつくり  2024年1月 1. 接ぎ木活着 写真上左は、棄てるつもりの「シャウト」に「南の関」の穂を接いでみました。昨年8月上旬の接ぎ木です。多分ダメだろうと思っていた穂が活着し、このように立派に成長しました。まだ花は見ていませんが、今春は見れるだろうと楽しみにしています。 バラはどのような環境であれ接ぎ木により活着します。長年バラを育てていれば1本や2本は不要な品種が出てきます。気に入らない株があっても、たとえ暑い盛りでも捨てないで、自分の育てたい品種を穂にして、「捨てる株のなるだけ低い部位で」「なるだけ若い幹で」接いでください。 以下の写真は、昨年1月に接いだ手順です。   1. 若い幹の低い部位を台木に見立てる